通学マナーや法令順守…大学生に「常識」指導(読売新聞)

 通学態度からゴミの分別、法令順守――。

 各地の大学で、新入生らに社会生活のマナーやモラルを指導する試みが次々と始まっている。常識的な内容なのだが、大学関係者からは「最近の学生のモラル低下を考えれば仕方ない」との嘆息も漏れる。

 携帯電話をかけながら自転車に乗ったり、カップめんを食べながら歩いたり……。新入生を迎えるこの4月、通学路でそんな行為に目を光らせるのは、東京都国立市の東京女子体育大・同短大だ。JR西国立駅からキャンパスまで800メートル区間の10地点に、腕章を付けた女子学生が1週間、交代で立ち、「通学マナー」を指導する予定だ。

 近隣住民から苦情が相次いだため、大学側の提案で、1年ほど前から年度初めなどに行っており、2年の三川沙紀さん(20)は「同じ学生の声は身に染みて、効果的です」と話す。

 ここ数年、学生の大麻所持事件などが相次いだ京都大は4月から、新入生に法令順守の大切さを教える特別講義をスタートさせる。薬物の危険性をビデオで呼びかけるなどの内容で、講義は2011年度から単位に認定される見通しだ。

 1年生の必修科目「大学・社会生活論」で、ノートの取り方からゴミ分別まで教えるのは金沢大。担当の古畑徹教授(51)は、「学生から『何でそんなことまで』という声もあるが、ゴミの捨て方で実際、大学に苦情が来た。社会に巣立つ前に基本常識を学ばせたい」と語る。

 背景には、大学生の深刻なモラル低下もありそうだ。国際基督教大(東京都三鷹市)は図書館で借りた本を貸出期間中に返却しない学生が多く、1冊1日あたり10円の「延滞料」を課し、完済するまで卒業を認めていないが、2日現在、延滞料の合計が約7万円に上る学生もいるという。

 2年前に学生がイタリア・フィレンツェにある世界遺産の大聖堂に落書きし問題になった京都産業大は、新入生に配るガイドで、ゴミのポイ捨てや落書きへの注意から、薬物使用の禁止まで呼びかける。学生の「茶髪・ピアス」を原則禁止しているノースアジア大(秋田市)は、指導担当の職員が定期的に学内を巡ってチェックしている。

 バンクーバー五輪で、服装の乱れや記者会見の対応が話題になったスノーボード・ハーフパイプ代表、国母和宏選手(21)が国際文化学部に在籍する東海大。当時、「誠に遺憾」とコメントを出したが、服装などの細かい規則は設けておらず、「非常識な振る舞いや服装は、学部や部活動で指導する」としている。

 中央教育審議会委員を務める金子元久・東京大教授(高等教育論)の話「学生を人間的に成長させるためにどんな取り組みが望ましいか、模索中の大学が多い。マナーやモラル教育に力を入れる背景には、深刻な就職事情もある。常識のない学生は就職でつまずく可能性があるからだ」

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